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事業承継でトラブルになりやすい「遺留分」とは?

2024.03.20

事業承継で問題になりやすいのが、後継者以外の相続人とのトラブルです。特に、遺産のうち一定割合の取得を保証する「遺留分」は、自社株式など遺産の大部分を占める事業用資産を後継者へ引き継がせたい経営者にとって悩みの種になりがちです。ほかの相続人とのトラブルを避け、スムーズに事業を継がせるためにも、遺留分について理解し対策を講じておきましょう。

 

遺留分とは

 

遺留分とは、民法で定められている相続人(兄弟姉妹を除く。以下同じ)が最低限確保できる相続分のことをいいます。 例えば、配偶者・長男・長女がいる社長が「自分が亡くなったときには自分の財産をすべて長男にあげる」という遺言書を作成した場合、配偶者と長女の最低限度の相続人間の平等が確保できません。相続人間の平等を確保するため、民法では最低限相続できる権利を遺留分として保証しているのです。遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額の請求を行なうことによって遺留分に相当する金銭の支払いを請求することができます。ただし、遺留分侵害額の請求権には期限があります。「遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないとき」または「相続開始の時から10年を経過したとき」、請求権は時効によって消滅します。

 

遺留分割合の例

 

遺留分の割合は基本的に法定相続分の1/2ですが、直系尊属(親や祖父母)しか相続人がいないときは、遺産総額の1/3が遺留分割合となります。また、相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合、遺留分の合計は遺産の1/2です。兄弟姉妹には遺留分がありませんので、配偶者の遺留分は遺産の1/2となります。

 

【相続人ごとの遺留分の割合例】

配偶者と子どもの場合:配偶者 1/4 (1/2×1/2)  子ども 1/4 (1/2×1/2)

配偶者と父母の場合:配偶者 1/3(2/3×1/2) 父 1/12(1/6×1/2) 母 1/12(1/6×1/2)

配偶者と兄弟姉妹:配偶者 1/2    兄弟姉妹 遺留分なし

 

遺留分に注意して事業承継を考えないといけない

遺留分について考えて事業承継を考えないといけない理由は、後継者以外の相続人からの遺留分侵害額の請求により、事業承継が危うくなる可能性があるためです。例えば、経営者である父親が長男を後継者とし、経営権とともに自社株などの資産を長男に集中させて会社を承継させる予定でいたとします。父親の意向どおり、後継者へ全資産が承継できるのであれば問題はありませんが、実際には長男以外の相続人(配偶者やその他の子どもなど)の「遺留分」を考慮しなければなりません。この例の場合、長男以外の相続人は、遺留分侵害額に相当する金額を長男に請求する権利があります。遺留分侵害額に相当する金額を求められた長男は、遺留分を支払う金銭がない場合は自社株や事業用資産を処分せざるを得なくなるのです。

相続人からの請求により、予定していた資産の承継ができないとなれば、円滑な事業承継・会社運営が難しくなります。遺留分でトラブルにならないためにはどうすべきか、早めに検討しておく必要があります。

 

事業承継で遺留分トラブルを避けるための主な対策

【遺言書の作成】

遺言は、経営者の相続が発生したときに、経営者が所有している自社株式や事業用資産を後継者に取得させる有効な方法の一つです。スムーズな事業承継のためにも、経営者は遺留分を考慮した遺言を作成し、遺留分侵害額請求を回避する手立てを講じておくとよいでしょう。主に相続対策で使われる遺言の種類は、「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」です。遺言の実行性を考えると、公正証書遺言がいいでしょう。公正証書遺言は公証人が関与するため、形式不備等により無効になるおそれがありません。また、原本は、公証役場にて保管されるため、紛失、隠匿、偽造のおそれがなく、家庭裁判所による検認手続きも不要です。

【遺留分の事前放棄】

後継者以外の相続人は、被相続人の生前に自分の遺留分を放棄できます。しかし、遺留分を放棄するには、後継者以外で遺留分を放棄しようとする相続人が自分で家庭裁判所に申立て、許可を受けなければならないため、それら相続人にとっては手間がかかります。また、相続人に遺留分放棄に協力してもらうための、理解を得ることが重要です。

 

【遺留分に関する民法特例の活用】

事業承継における遺留分トラブルを防ぐ方法として、遺留分に関する民法特例(経営承継円滑化法の民法特例)を活用する方法があります。

①除外合意について

除外合意とは、後継者と他の相続人の間で、後継者が経営者から生前贈与等によって取得した自社株式を遺留分算定の基礎財産から除外できます。これにより、他の相続人は遺留分を請求できなくなるため、相続人トラブルのリスクを回避し、後継者に集中的株式を承継できるのです。

②固定合意について

固定合意とは、後継者と他の相続人の間で後継者が経営者から生前贈与等によって取得した自社株式について、遺留分算定の基礎財産に算入する価額を合意時点の価額に固定することができます。固定合意を適用すれば、自社株式が将来価額が上昇しても遺留分への影響がなくなるため、相続時に想定外の遺留分の主張を受けることがなくなります。

ただし、固定する合意時の時価については、合意時に相当な価額であることを税理士、公認会計士、弁護士などの専門家に証明してもらう必要がある点に注意が必要です。

 

最後に

遺留分は、相続全般また、事業承継における重要な対策のひとつです。スムーズな相続や事業承継を円滑にするためには、相続や事業承継に詳しい専門家に相談しながら、ご自身に合った対策を検討されるといいでしょう。

 

 

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筆者紹介

杉山 健太郎
福岡相続サポートセンター
上級相続支援コンサルタント(公益財団法人日本賃貸住宅管理協会)

上級相続支援コンサルタント、トータルライフコンサルタント(生命保険協会認定FP)として、税理士、司法書士、弁護士など各種専門家と連携し様々な相続問題の解決に向けてお手伝い。「相続」が「争族」にならない様に問題解決のコーディネータとして日々やらせて頂いてます。お客様にとってベストな問題解決、アドバスを提供できる様に心がけていますので、お気軽にご相談ください。

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